1. はじめに:ピアノの独学の長所と短所
ピアノを独学で始めるときには、どんな長所や短所があるのでしょうか?この記事では、ピアノの独学で上達するために必要な基礎知識や練習法を分かりやすく解説します。
1-1. ピアノの独学の長所
ピアノの独学には、以下のような長所があります。
- 自分のペースで学べる。時間や場所に制限されずに、自分の都合に合わせて練習できる。
- 好きな曲に挑戦できる。教室や先生に縛られずに、自分の好みや目標に合わせて曲を選べる。
- 費用を節約できる。教室や先生にお金を払う必要がなく、教材やアプリも安価に手に入れることができる。
1-2. ピアノの独学の短所
ピアノの独学には、以下のような短所もあります。
- 正しい姿勢や指使いが身につきにくい。自分の癖や間違いに気づきにくく、悪い習慣が定着してしまう可能性がある。
- 練習方法や進度がわからない。自分で計画や目標を立てるのが難しく、効率的に練習できないかもしれない。
- 孤独になりやすい。誰かに相談したり、感想を聞いたり、一緒に練習したりする機会が少なく、モチベーションが下がるかもしれない。
1-3. この記事の目的
この記事では、ピアノの独学で上達するために必要な基礎知識や練習法を分かりやすく解説します。ピアノの独学で必要なもの、音符やコードの読み方、片手・両手・耳コピの練習法、上達するためのポイントなどを紹介します。この記事を読めば、ピアノの独学に挑戦する人の参考になるでしょう。
2. ピアノの独学で必要なもの:楽器や教材の選び方
ピアノの独学を始めるには、まずは楽器や教材を揃える必要があります。しかし、どんな楽器や教材を選べばいいのでしょうか?ここでは、楽器や教材の選び方のポイントを説明します。
2-1. 楽器の選び方
ピアノの独学には、生ピアノや電子ピアノのどちらでも構いません。しかし、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。自分の目的や予算に合った楽器を選ぶことが大切です。
- 生ピアノの特徴
- 音の響きやタッチが豊かで、表現力が高い。
- 音量や音色を自在に調整できる。
- 高価で、メンテナンスや調律が必要。
- 大きくて重く、場所を取る。
- 音が大きく、周囲に配慮が必要。
- 電子ピアノの特徴
- 音の質やタッチが生ピアノに近づけられている。
- 音量や音色を変えたり、録音や再生ができたりする。
- 安価で、メンテナンスや調律が不要。
- 小さくて軽く、移動や収納が容易。
- ヘッドホンを使えば、周囲に気兼ねなく練習できる。
2-2. 教材の選び方
ピアノの独学には、教本やアプリ、動画などの教材が役立ちます。しかし、教材の種類や内容は多岐にわたります。自分のレベルや目標に合った教材を選ぶことが大切です。
- 教本の特徴
- 音符やコードの読み方、楽理や技術の基礎などを体系的に学べる。
- 様々なジャンルや難易度の曲が収録されている。
- 自分でペースや順番を決められる。
- 音源や解説がない場合がある。
- 読むのが苦手な人には向かないかもしれない。
- アプリの特徴
- ゲーム感覚で楽しく学べる。
- 音源や解説が豊富で、フィードバックも得られる。
- 有料の場合が多く、更新や通信が必要な場合がある。
- 画面に集中しすぎて、鍵盤や楽譜に目が行かないかもしれない。
- 動画の特徴
- ネットで無料で見られる。
- 実際の演奏や指使いを見ながら学べる。
- 様々な先生やスタイルがある。
- 動画の質や信頼性がまちまちで、検索や選別が大変な場合がある。
- 自分で練習する時間や方法を決めないと、見るだけになってしまうかもしれない。
3. ピアノの独学で身につけるべき基礎知識:音符やコードの読み方
ピアノの独学で上達するには、音符やコードの読み方を身につけることが必要です。音符やコードの読み方をマスターすることで、自分の好きな曲を弾けるようになります。ここでは、音符やコードの読み方の基本を解説します。
3-1. 音符の読み方
音符とは、楽譜に書かれた音の高さや長さを表す記号のことです。音符の読み方を覚えるには、以下のことを理解する必要があります。
- 五線譜と鍵盤の位置関係
- 五線譜とは、音符を書くための5本の線と4つの間のことです。五線譜には、ト音記号とヘ音記号という2種類の記号があります。ト音記号は右手の音域、ヘ音記号は左手の音域を表します。
- 五線譜には、音符の位置によって音の高さが決まります。音符が上に行くほど高い音、下に行くほど低い音になります。音符の位置と鍵盤の位置の対応関係を覚えることが大切です。
- 五線譜には、線の上や下に小さな線が付いた音符があります。これを補助線といいます。補助線は、五線譜の範囲外の音を表すために使われます。補助線が多いほど、音の高さが極端になります。
- 音符の長さ
- 音符には、音の長さを表す記号があります。音の長さは、拍という単位で測ります。拍とは、音楽のリズムを刻むための一定の間隔のことです。拍の数は、五線譜の最初に書かれた拍子記号で決まります。
- 音符の長さを表す記号には、全音符、2分音符、4分音符、8分音符、16分音符などがあります。全音符は4拍分、2分音符は2拍分、4分音符は1拍分、8分音符は半拍分、16分音符は4分の1拍分の長さになります。
- 音符の長さを変えるためには、音符に点や棒を付けたり、音符をつなげたりします。点を付けると、音符の長さが半分増えます。棒を付けると、音符の長さが半分になります。音符をつなげると、音符の長さが足されます。
3-2. コードの読み方
コードとは、複数の音を同時に鳴らすことで、曲の和音や伴奏を作ることができるものです。コードの読み方を覚えるには、以下のことを理解する必要があります。
- コードの構成
- コードは、基本的に3つの音で構成されます。これを三和音といいます。三和音は、根音、3度音、5度音という3つの音からなります。根音は、コードの基準となる音です。3度音は、根音から3つ上の音です。5度音は、根音から5つ上の音です。
- コードには、メジャーコードとマイナーコードという2種類のコードがあります。メジャーコードは、明るく元気な感じのコードです。マイナーコードは、暗く悲しい感じのコードです。メジャーコードとマイナーコードの違いは、3度音の高さにあります。メジャーコードは、3度音が高い位置にあります。マイナーコードは、3度音が低い位置にあります。
- コードは、根音の位置によって異なる名前が付けられます。根音が最下部にあるコードを基本形といいます。基本形のコードは、根音の音名とメジャーかマイナーかで表されます。例えば、ドのメジャーコードは、Cと書きます。レのマイナーコードは、Dmと書きます。
- コードは、根音以外の音を最下部に持ってくることで、異なる形に変えることができます。これを転回といいます。転回のコードは、基本形のコードにスラッシュと最下部の音名を付けて表されます。例えば、ドのメジャーコードの3度音を最下部に持ってくると、E/Gと書きます。レのマイナーコードの5度音を最下部に持ってくると、A/Dmと書きます。
- コードの進行
- コードは、曲のキーに応じて、決まった順番やパターンで並べられます。これをコード進行といいます。コード進行は、コードの機能という概念で理解することができます。コードの機能とは、コードが曲の中で果たす役割のことです。
- コードの機能には、主和音、属和音、下属和音という3つの基本的な機能があります。主和音は、曲のキーと同じコードで、曲の中心となるコードです。属和音は、主和音の前に来ることが多く、主和音に導く役割をするコードです。下属和音は、主和音と属和音の間に来ることが多く、曲の展開や変化を作るコードです。
- コードの機能は、ローマ数字で表されます。主和音はI、属和音はV、下属和音はIVと書きます。メジャーキーの場合、I、IV、Vはメジャーコードになります。マイナーキーの場合、I、IV、Vはマイナーコードになります。例えば、ドのメジャーキーの場合、IはC、IVはF、VはGになります。レのマイナーキーの場合、IはDm、IVはGm、VはAmになります。
- コード進行は、コードの機能の組み合わせで表されます。よく使われるコード進行には、以下のようなものがあります。
- I-V-IV-I:主和音と属和音と下属和音を交互に繰り返すシンプルなコード進行です。例えば、ドのメジャーキーの場合、C-G-F-Cとなります。
- I-V-vi-IV:主和音と属和音と下属和音に、主和音の6度上のコードを加えたコード進行です。例えば、ドのメジャーキーの場合、C-G-Am-Fとなります。このコード進行は、多くのポップスやロックの曲で使われています。
- ii-V-I:主和音の2度下のコードと属和音と主和音のコード進行です。例えば、ドのメジャーキーの場合、Dm-G-Cとなります。このコード進行は、ジャズやボサノバの曲でよく見られます。
3-3. 音符やコードの読み方のまとめ
音符やコードの読み方を覚えることで、ピアノの独学がより楽しくなります。音符やコードの読み方のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 音符の読み方
- 五線譜と鍵盤の位置関係を覚える。
- 音符の長さを表す記号を覚える。
- 音符の長さを変える方法を覚える。
- コードの読み方
- コードの構成を覚える。
- コードの名前を覚える。
- コードの進行を覚える。
これらの音符やコードの読み方を練習して、自分の好きな曲を弾けるようになりましょう。